2023年第65回グラミー賞受賞結果と授賞式・受賞予想を今さら振り返る

2023年第65回グラミー賞受賞結果と授賞式・受賞予想振り返り グラミー賞

日本時間の2/6(月)午前から開催された、第65回(2023年)グラミー賞の授賞式。
このブログでは、昨年のノミネート予想から受賞予想まで各回に分けて、いくつかの視点で語ってきました。
そこで今回は賞も終わりましたので、受賞結果と授賞式・受賞予想を振り返ってまいります。
今さらですいません・・・

各部門の気になった受賞結果と、受賞予想答え合わせ

ポップ部門

ポップソロパフォーマンス

受賞予想

◎Harry Styles「As It Was」
○Adele「Easy on Me」
△Steve Lacy「Bad Habit」
□Bad Bunny「Moscow Mule」
Doja Cat「Woman」
Lizzo「About Damn Time」

受賞結果

Adele「Easy on Me」

パフォーマンスというくくりでは、やはりアデルに分があったようです。
歌に関しては確かに、そう評価されてもしかたありません。

ポップグループパフォーマンス

受賞予想

◎Coldplay and BTS「My Universe」
○Sam Smith and Kim Petras「Unholy」
ABBA「Don’t Shut Me Down」
Camila Cabello featuring Ed Sheeran「Bam Bam」
Post Malone and Doja Cat「I Like You」

受賞結果

Sam Smith and Kim Petras「Unholy」

サム・スミスの歌は自分も好きなので、まあこの結果もアリだとは思います。

ポップアルバム

受賞予想

◎Harry Styles「Harry’s House」
○Adele「30」
Lizzo「Special」
ABBA「Voyage」
Coldplay「Music of the Spheres」

受賞結果

Harry Styles「Harry’s House」

ようやく当たりましたw
アデルのアルバムも好きなんですが・・・
ハリー君のこのアルバム、本当によく考えて作られてました。
今風でモダンなポップソングが多かったですし。

受賞予想の結果

1勝2敗

ロック部門

ロックパフォーマンス

受賞予想

◎Brandi Carlile「Broken Horses」
○Ozzy Osbourne featuring Jeff Beck「Patient Number 9」
△The Black Keys「Wild Child」
□Beck「Old Man」
◇Bryan Adams「So Happy It Hurts」
IDLES「Crawl!」
Turnstile「Holiday」

受賞結果

Brandi Carlile「Broken Horses」

ブランディ・カーライルは、マジで歌ウマです。
しかも、どんなテイストの曲でもこなせる。
この結果は順当です。

ロックソング

受賞予想

◎Brandi Carlile「Broken Horses」
○Ozzy Osbourne featuring Jeff Beck「Patient Number 9」
△The War On Drugs「Harmonia’s Dream」
Red Hot Chili Peppers「Black Summer」
Turnstile「Blackout」

受賞結果

Brandi Carlile「Broken Horses」

同じくこの結果も順当ですね。

ロックアルバム

受賞予想

◎Ozzy Osbourne「Patient Number 9」
○Spoon「Lucifer on the Sofa」
The Black Keys「Dropout Boogie」
Elvis Costello and The Imposters「The Boy Named If」
IDLES「Crawler」
Machine Gun Kelly「Mainstream Sellout」

受賞結果

Ozzy Osbourne「Patient Number 9」

予想通り、オジー先生の受賞。
このアルバムはメロディアスな曲が多い上に、シリアスな雰囲気に満ちており自分好みでした。

オジー先生はビートルズフリークなので、ソロの作品だとその影響が多分にうかがえるんですよね。
特にポール(マッカートニー)風味を感じさせる曲が多いのも、個人的にはうれしいです。
いや~良かった~

受賞予想の結果

3勝

オルタナティブ部門

オルタナティブパフォーマンス

◎Arctic Monkeys「There’d Better Be a Mirrorball」
○Big Thief「Certainty」
Yeah Yeah Yeahs featuring Perfume Genius「Spitting Off the Edge of the World」
Florence and the Machine「King」
Wet Leg「Chaise Longue」

受賞結果

Wet Leg「Chaise Longue」

個人的には予想外の受賞でした。

オルタナティブアルバム

受賞予想

◎Big Thief「Dragon New Warm Mountain I Believe in You」
○Yeah Yeah Yeahs「Cool It Down」
Arcade Fire「We」
Björk「Fossora」
Wet Leg「Wet Leg」

受賞結果

Wet Leg「Wet Leg」

これも個人的には予想外の受賞でした。
確かにウェット・レッグのアルバムはメディアからの評価も高く、ロックやオルタナの売れないアメリカでも比較的健闘はしていましたが・・・
このメンツより上に行くとは思わなかったです。

受賞予想の結果

2敗

R&B部門

R&Bアルバム

受賞予想

◎Mary J. Blige「Good Morning Gorgeous」
○Robert Glasper「Black Radio III」
Chris Brown「Breezy」
Lucky Daye「Candydrip」
PJ Morton「Watch the Sun」

受賞結果

Robert Glasper「Black Radio III」

主要部門にもノミネートされていたメアリー・J. ブライジではなく、ロバート・グラスパーが受賞。
グラスパーもまた、グラミーに相性のいいミュージシャンです。

まあ確かに、彼の音楽はかなり先進的なことをしているので、納得できなくはないのですが・・・
ただ、メアリー・J. ブライジのアルバムはかなり好みだったので、彼女に受賞してほしかったなあ。

受賞予想の結果

1敗

アメリカンルーツ部門

アメリカンルーツソング

受賞予想

◎Brandi Carlile featuring Lucius「You And Me on the Rock」
○Robert Plant & Alison Krauss「High and Lonesome」
△Bonnie Raitt「Just Like That」
Sheryl Crow「Forever」
Anaïs Mitchell「Bright Star」
Aoife O’Donovan & Allison Russell「Prodigal Daughter」

受賞結果

Bonnie Raitt「Just Like That」

自分の想像以上にボニー・レイットが評価されていて、ビビりました。
確かに過去、主要部門も受賞しているので、あなどれないとは思っていましたが。
いや~マジでビックリ。

アメリカーナアルバム

受賞予想

◎Brandi Carlile「In These Silent Days」
○Robert Plant & Alison Krauss「Raise the Roof」
Bonnie Raitt「Just Like That…」
Dr. John「Things Happen That Way」
Keb’ Mo’「Good to Be…」

受賞結果

Brandi Carlile「In These Silent Days」

この部門は予想通り。
このアルバムはロックファンにもおすすめできるので、ぜひ聴いてほしいですね。

受賞予想の結果

1勝1敗

ビジュアルメディア部門

ビジュアルメディアソング

受賞予想

◎Carolina Gaitán – La Gaita, Mauro Castillo, Adassa, Rhenzy Feliz, Diane Guerrero, Stephanie Beatriz & Encanto Cast「We Don’t Talk About Bruno」
○Lady Gaga「Hold My Hand」
△Taylor Swift「Carolina」
Jessy Wilson featuring Angelique Kidjo「Keep Rising」
4*Town, Jordan Fisher, Finneas O’Connell, Josh Levi, Topher Ngo, Grayson Villanueva「Nobody Like U」
Beyoncé「Be Alive」

受賞結果

Carolina Gaitán – La Gaita, Mauro Castillo, Adassa, Rhenzy Feliz, Diane Guerrero, Stephanie Beatriz & Encanto Cast「We Don’t Talk About Bruno」

この部門も予想通り。
大ヒットした曲ということもあり、当然の受賞だとは思います。
ですが今回は、ガガやテイラーの曲を含め他にも良い曲が多く、チェックしていて楽しい部門でした。

受賞予想の結果

1勝

ミュージックビデオ・フィルム部門

ミュージックビデオ

受賞予想

◎Kendrick Lamar「The Heart Part 5」
○Adele「Easy on Me」
△Harry Styles「As It Was」
□Taylor Swift「All Too Well: The Short Film」
BTS「Yet to Come」
Doja Cat「Woman」

受賞結果

Taylor Swift「All Too Well: The Short Film」

今時の音楽界を代表するようなメンツがそろったこの部門は、テイラーが受賞。
彼女のこの曲、長いバージョンになって良くなったような気がします。

受賞予想の結果

1敗

主要4部門の受賞結果と、受賞予想答え合わせ

最優秀新人

受賞予想

◎Måneskin
○Wet Leg
△Latto
Anitta
Omar Apollo
Domi and JD Beck
Samara Joy
Muni Long
Tobe Nwigwe
Molly Tuttle

受賞結果

Samara Joy

まったく考えもしなかった結果ですw
確かに今回は分かりやすい本命がいなかったので、難しい部分はありましたが・・・
個人的には、フローレンス・マムフォード・ドレイク・ビーバーという強力なメンツを押しのけて12年前に受賞した、エスペランサを思い出しました。

最優秀楽曲

受賞予想

◎Kendrick Lamar「The Heart Part 5」
○Beyoncé「Break My Soul」
△Harry Styles「As It Was」
□Adele「Easy on Me」
◇Steve Lacy「Bad Habit」
Lizzo「About Damn Time」
DJ Khaled Featuring Rick Ross, Lil Wayne, Jay-Z, John Legend and Fridayy「God Did」
Taylor Swift「All Too Well(10 Minute Version)」
Bonnie Raitt「Just Like That」
Gayle「ABCDEFU」

受賞結果

Bonnie Raitt「Just Like That」

いや~すごいサプライズ。
確かにボニー・レイットはかなり前、主要部門受賞の実績はありましたが・・・
本人もマジかよ!みたいなリアクションでしたね。

彼女のような大ベテラン(73歳)でも受賞がありえるというのは、流行りをそこまで重要視しないグラミー賞の特質があらわれたといえます。
このあたり、やはりこの賞の本質は変わってないです。

最優秀レコード

受賞予想

◎Beyoncé「Break My Soul」
○Kendrick Lamar「The Heart Part 5」
△Adele「Easy on Me」
□Harry Styles「As It Was」
◇Steve Lacy「Bad Habit」
Brandi Carlile featuring Lucius「You and Me on the Rock」
Lizzo「About Damn Time」
Doja Cat「Woman」
Mary J. Blige「Good Morning Gorgeous」
ABBA「Don’t Shut Me Down」

受賞結果

Lizzo「About Damn Time」

上2つほどではないですが、この部門もけっこう意外でした。
まあでも、リゾのこの曲は素晴らしいので良しとします。
それにしても、ビヨンセには意地でも受賞させないという闇の力は、かなり強いですね。
ダンサブルな芸風とソングライター風味の少ないビヨンセのノリは、グラミーには好まれないようです。

最優秀アルバム

受賞予想

◎Beyoncé「Renaissance」
○Kendrick Lamar「Mr. Morale & the Big Steppers」
△Harry Styles「Harry’s House」
□Bad Bunny「Un verano sin ti」
◇Adele「30」
Brandi Carlile「In These Silent Days」
Mary J. Blige「Good Morning Gorgeous」
Lizzo「Special」
ABBA「Voyage」
Coldplay「Music of the Spheres」

受賞結果

Harry Styles「Harry’s House」

これまでアイドル出身のミュージシャンに厳しい判断を下し続けてきたグラミー賞。
ですが、ついにその伝統が破られました。
ハリー君の受賞ですが、このアルバムはかなり工夫を凝らしたポップソングが数多く収録されているので、特別おかしい結果ではないと思います。

受賞予想の結果

4敗

2023年第65回グラミー賞まとめ

以上、ざっとまとめてみました。
今回は肝心な主要4部門の予想が1つも当たらず、オメェの目は節穴か!と言われてもしかたない結果ですw
昨年からノミネートが各部門10人になり、受賞予想を当てるのはさらにシンドくなりました。

トータルの受賞予想結果は、11勝13敗という結果に。
主要4部門は散々でしたが、ロック部門の受賞予想は全て当たったので、まあ良しとします。

授賞式全体の感想としては、今回はホントに豪華な面々が集まりました。
これ以上のメンツが集まることは、今後ないんじゃないかなというぐらいです。
それだからというわけでもないですが、個人的にはなかなか楽しめましたね。
しいていえばもう少し、ロック勢に頑張ってほしい感はありますが。

最後に来年のグラミー賞ですが、現時点ではテイラーとSZAの2強状態になるのかなと。
特に男性ミュージシャンに目ぼしい存在、この2人に肉薄する人材が、今のところ不在です。
そういえば来月、ポール・サイモンが新譜を出すそうなので、ひょっとしたら80歳以上の大ベテランがこの2人に立ちはだかる、という未来絵図が見れるかもしれません。
それでは、また次回のこの賞で。